社保事務所にヤボ用で行く。
(注:社保庁のユルい仕事にもフクダの「んなこと言ったっけ」にも、破綻に突っ走りながら誰も何もしないこの社会にも内臓沸き立つわしですが、火猿ビンも鉄ぱいぽも持参しません。そういうのは妄想にとどめておく)
陽が差していたので、そう寒くはないかと思い先日アクセルワイヤ交換をした試運転がてら、年代ものの250cc4気筒を引っぱり出す。

帰り道にコンビニエンスストアにタバコを買いに寄ると、2台の改造オートバイと数人の若者が店の駐車場端に陣取っている。自分の娘くらいか、もう少し下か・・・。店に備え付けの灰皿のそばで短い禁煙を破り、冷たい冬の空気とともに煙をゆっくりと吸い込んだり吐いたりして季節をちょっとだけ味わう。
そのうちひとりが停めたままのバイクに火を入れて軽く数回アクセルをあおり、排気音を楽しんでいるのかツキの調子を確かめているのか・・・。ハンドルとファッションは族風だがマシンの各部を見ると走り屋のように実践的なパーツになけなしの稼ぎをつぎ込んだのがわかる。タンクも趣味がいいとは言えないがカスタムペイントが綺麗に施されている。少なくとも相手かまわずとんがってくる狂犬のようなヤンキーではあるまい。近寄って声をかけてみることにした。
「軍手じゃ寒かろだい?」
「・・・がばい寒かっす」
彼は顔を黒いマフラーのような布地で覆っているので表情は見て取れない。
「そい、・・・何すか?」
「・・・あ?バイクや。10年以上前のやつ。」
「にいはんっすか?」
「ああ、GSX-Rのネイキッドたい。」
「速かっすか?」
「んにゃ、音だけ。気分だけな。もう速かとは卒業した。」
「ふうん・・・」
急いでやることもあったのでひとことふたことで切り上げて帰るつもりだった。
「じゃ、ころばんごとな」
「気をつけてください」
瞬時に目覚めた私の4気筒はゆっくりとスムースに弧を描いて駐車場の外を向く。きっと若者たちはぼんやり私の背中を眺めている。
こうしてblogに書くのは何故だろう。知らないバイク乗りと短い会話をかわす、などという行為自体がもう思い出せないほどひさしぶりのことでうれしかったのだろうか。先ほど深夜の風呂に浸かりながら・・・缶コーヒーくらい皆んなに奢って年寄りぶってみてもよかったかな・・・もう少し話したかったのかもしれない・・・などと思った。