無目的(いや、加速と音を楽しむ)暴走(いや、走行練習)の翌日、ガソリンタンクが空なのに気づく。
つい先日、満タンにしたやん。そんなに燃費悪いんか?もしかして抜かれた?いや、そんな痕跡はない・・・。

どうもこれ、夜中のうちに少しずつ漏れて地面に吸わせているようである。
「いもとさーん、ガソリンの漏れてタンク空になるぅー!」バイク屋さんに持ち込むとフュエールパイプやフュエールコック(ま、蛇口みたいなもん)のパッキンが劣化して複数箇所から燃料がヨコ漏れしてたようで、交換が必要な部分は後日無償で新品にしてもらった。交換作業はやらされた。

数日後、今度はヘッドライトが暗い。
やけに暗い。エンジンのパワーも落ちてき、低回転ではエンストしがち。「ぎぃやああああぁぁぁん!」と回転をあげてやらないとまともに走ってくれない。
「いもとさーん、ライトの暗くてエンジン止まるぅー!」
「・・・ジェネレーターが発電しよらんね〜。バッテリーに充電できんけん点火も弱かったい」
テスターを持ち出しいろいろ調べるうちに発電コイルのどこかが断線しかかっているのだろうという判断になった。発電コイルというのは太目の銅線がドーナツ型に盛り付けたスパゲッティのようになっていて、しかもそれがバラけないように樹脂でモールドされている部品だ。この銅線のどこが切れかかっているのかなんてわかりようがない。新品部品は結構な値段がするらしく、貧乏学生にはキツい・・・。ニワトリ小屋の前に同型の発電コイルが転がっていたが、こちらもダメで、しばらく考えこんだいもとさんは発電コイルをひとしきりひねくり回していたかと思うとCRC-556を「ぷしゅー」と吹きかけ、「よしっ」と言った。そんなんで直るんかい・・・(疑)。

もとどおりに組み付け、エンジンをかけると、果たして充電電流を示すテスターの針はエンジン回転に追従して「ぴんっ」と跳ね上がるではないか。

「おわ〜、なおっちょらあ」(魔法使いか、このおいさん)
「だぁ、充電器いかけとこうかね。おぉ、よしだ君、こげんするっちぇ。覚えときやい。」そう言いながらも作業はやらされた。バッテリを車体から外す時にはマイナス端子から先に外すこと、逆に積むときにはプラス端子を先に繋ぐこと、蒸留水の補充をしすぎないこと、バッテリーの中の液体は強酸なので衣服につくと穴があくこと、充電時は水素ガスが発生するので必ずキャップを外して風通しの良い場所で行い、火気には注意すること・・・いもとさんはこうしてわしに少しずつ整備の知識を教えていったのだ。