中二の夏(だったか)
凶暴な長兄がスミ子さんの家を受験勉強の場として
使わせてもらっている、というような状況。

そこを訪れ、長兄からビールを飲まされ
生まれて初めて酔っ払った記憶がある。

スミ子さんは父の部下の妻の妹という
全然他人なのであるが
父の部下であるハシヅメさんと我が家族とは
なにやら合ったらしく親戚のような付き合いをしていた。
下松の海水浴でトマトを齧っては投げあった日は忘れない。
子息ヤス君、マリさんと年賀状のやりとりも数年続けた。

後にスミ子さんは母の弟と夫婦になり
本当の親戚になる。
母の弟はわしが可愛かったのであろう、
幼い頃からわしをいじくり倒しては笑っているヤツで
記憶の中に何度か登場する人物である。
嫌いというまではいかないが今の感覚で言ううざい(w。
わしはこの叔父を「アクニン」と呼んでいた。

悪人ヤスユキ叔父は数年前に闘病の末他界。
彼の息子ヤスヒロがライダーとなるときに
わしは先輩ライダーとして何かを教えたのだった。
久々に会った後輩ライダーはもう苦労を体験し始めた
お父さんだった。

スミ子さんにもらった本(大事にしていたのを無理に?)
フランスの飛行機乗り、冒険家が書いたその本
シンプルにそぎ落とした文体で中学生の心の中に
ロマンを掻き立て、謎を提示し、幾つかの考えを植えつけた。
40年という時間を経ても何も変わらず暗闇を照らす。

物質文明、拝金主義、その場限りの泡沫エンタメ、見栄と虚飾、
思考停止、流され操られ支配され目隠しされ、精神性を喪失し、
自信を失い、それに気づくこともできない現代日本人。
畜生にも劣る(畜生に失礼だよ)人間の姿をしただけの
食う眠るヤル以外にモチベーションを持たぬヘンな生き物の群れ。

「本当に大切なこと」を完全に見失ってはいないか。

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【悪人の記憶】
若いときは気性が激しかったという母の話。
弓矢で目を傷つけ、若干目つきが斜めだった。
酔っ払って「や、さ、い・か・だ」と歌い舞ったという逸話。
弓、クレー射撃、ゴルフ等の集中し狙うことの達人。
眠る叔父のおでこはチンと冷たかった。