由子ママは生前、わしと連れ合いを可愛がってくれたご町内さんである。
お互いにマイペース臍曲がり(?)なので他の世帯とのご近所づきあいは殆どなく
どうかすると変人扱いや根も葉もない噂で陰口を叩かれてしまうタイプなのだ。

そんな臍曲がり同士は、理解し合うと、もう、家族のようになる。

横浜あたりのお嬢様だったらしい。熊本に嫁に行き、子供たちも
育ちあがったので田舎暮らしを思い立ち、身勝手な(?)旦那さんをほったらかした。
田舎村にメルヘンチックな輸入住宅を建て、気ままに一人暮らしを。

村の寄り合い(常会)ではゆっくりとやわらかく、かつ、舌鋒鋭く
誰も逆らえない絶対権力者に、核心を突いた質問を投げる、
そんな女性でもあった。(そのとき村長さんは絶句して答えられずw)

熊本では人をたくさん使ってレストランを経営していたとも聞いた。

由子ママの家(徒歩1.5分)にいくときは「ただいま〜」と、わし。
由子ママは「あら、坊や、来たの?」と迎える。
50歳も近いわしを坊や扱いしてたのはこの人だけである。