白組の吉永って奴は、一人だけ特別に牛乳ではなくヨーグルトだった。加来いつ子先生は優しくて好きだったのだがデカい団子っ鼻が残念な薩摩おごじょだ。「僕もヨーグルトがいい」と訴えると「吉永君は飲めないから仕方がないのよ」と困ったように告げられた。羨ましかった。特別待遇の吉永と、普通に牛乳飲める自分の身体を憎んだ。今は腹が緩むので飲まないけどね!(笑)

上村卓也は近所の医者の息子でよく遊んでいたが、園での接触は何故か少なかったように思う。ただしくんと仲が良いことを知られたくなかったのか?裏表のある奴め!卓也の家で読んだ怪奇漫画(口から血を垂らした悪鬼の形相の女の首が空中を飛び回る)と、卓也の妹のたまきやら母親となんだかダブって刷り込まれた。夢にまで見るくらいしばらくは恐かった。

近くの団地に住む井ノ口まり子を好きだったが、今思い出すと眉の左右が繋がったぱっつんゴリラである。なんで好きになったんやろ???ある時まり子の住む団地に行って、少し開いたままにしてある扉の前に立った。「あそぼー!」と声をかけようとする直前、隙間から父親の両足の甲にそれぞれ左右の足を乗せ、両腕を上に父から引き揚げられながら歩いているのが見えた。楽しそうな家族のいちシーン・・・幼稚園児にも遠慮と言うものは存在する。声を掛けるのを止めて、その場を離れた。

少しオツムの足りない身体の大きな園友も居た。〇〇ちゃんと親しく呼んでいたが実はちょっと怖かった。後に小5〜中2で少しばかり関わった上田寿司屋の息子の「うえちゃん」と類似した存在。

お昼ご飯の後の園庭で自由に遊ぶ時間、遊具から誰かが落ちて流血の惨事を見た。ブランコを大きく漕ぎ過ぎ転落したのではなかったか。口元の、砂混じりの血、歯に付着した血の色を覚えている。

園が会場となるYAMAHAオルガン教室に行かされるのが嫌だった。上手く弾けなくて手の甲を母親から叩かれた。競争心も憧れも持っていない幼児にはオルガンを上手に弾けることの意義が見いだせなかった。言われるままに親に従う園友達を見て「この人たちはやりたくてやっているのだろうか」と、不思議な感じがして、ぼんやりと眺めていた。

クレヨンで絵を描いて先生に見せに行くと一応褒めてはくれるがその態度に「ああ、もう、うるさいわねえ、毎度毎度下っ手くそなつまんない絵見せに来てぇ!」という感情が大きく混じっていたのを見逃さなかった。園児なめんなよ(笑)

登園中に首を立てこちらを向いて威嚇して来る七面鳥に往く手を阻まれることが何度かあったし、牛だか馬だかの頭蓋骨が道端に転がってることがあった。梅雨時に溢れた側溝で大きな鮒が打ち揚げられ苦しそうにパフパフしていた。目玉が飛び出たようになっていて気味が悪かった。なんとも不思議な環境に居たもんだ。鹿児島市。
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追記:吉田少年はミディ=クロリアン値が異常に高く、親や周囲の大人たちから将来の期待と不安が半々にかけられていたという。残念だったな、今や見事にダークサイドだ!!